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「戦争法案」強行採決に対する声明を発表しました

  • 2015年7月16日
  • 声明・コメント

2015年7月16日

私たちは、憲法にも世論にも反する政府与党の戦争法案強行採決に強く抗議します

社会福祉法人いずみ野福祉会 理事会

 政府与党が、戦後最長の会期延長までして強行しようとしている自衛隊法など既存10法を一括して改正する「平和安全法制整備法案」と新設の「国際平和支援法案」(以下、「戦争法案」)を、昨日の衆議院安全保障法制特別委員会に引き続き、本日16日午後26分、衆議院本会議でも強行採決を行ないました。

 この法案は、国会の審議が進めば進むほど、国民の反対が広がっています。直近の報道機関の世論調査を見ても、毎日新聞で52%、朝日新聞が48%、日経新聞が56%、産経新聞が57.7%、共同通信が56.7%、と「憲法違反」の声が6割近くに上ろうとしています。また、安倍首相の答弁が続くほど説明が不十分であるという声が広がっています。世論調査でも毎日新聞で61%、朝日新聞が65%、日経新聞が57%、産経新聞が58.9%と「この法案の今国会での成立には反対」との声が上がっています。そして、護憲、改憲論者問わず圧倒的多数の憲法学者が「憲法違反」の態度を表明し、さらに国会での参考人質疑でも歴代の内閣法制局長官が次々と「憲法違反」であることを表明しています。

 内閣支持率も下がり始め、たとえば毎日新聞、朝日新聞では共に不支持率は42%で、支持率を上回る状況になっています。与党がいくら議席を多数もっていても、昨年の衆院選の自民党の得票率は17%(有権者率)であり、国民の過半数が反対している法案を強引に通すのは国民主権をふみにじるものにほかなりません。

 若者も、女性も、年配の方々もみんなが「憲法違反」を表明する戦争法案。明らかに日本を「戦争できる国」にしていく悪法を、私たちは決して許すわけにはいきません。

 そもそも昨年71日、我が国の「集団的自衛権の行使」を容認した閣議決定は、国会での審議にも、また国民的議論にも付されることもなく、一内閣の判断で戦後積みあげてきた憲法解釈をくつがえしてしまう暴挙でした。憲法9条第2項(「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」)ではありえない解釈であり、まさしく立憲主義を否定するものです。

 加えて、今年の427日、日米両政府は、現行安保条約の枠組みを超える「グローバルな日米同盟」をうたうものへと「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)を改定し、429日、安倍首相は、米国上下両院議員の前での演説において、「戦争法案」の「この夏までの成立」を言明しました。こうした動きは、「国権の最高機関」たる国会の審議をないがしろにするものであり、憲法を無視して独裁政治を行なうものであると言わざるを得ません。

 今年は、戦後70年という「平和について深く考える」大きな節目の年です。戦争の悲劇の中で、多くの国民が命を絶たれるなど、その犠牲になってきました。そうした歴史的教訓を経てつくられてきた日本国憲法の前文では、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言」しています。そして「全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う」とうたっています。憲法9条は、国民が平等に生きるためのさまざまな権利の土台となっているのです。

 例えば先の大戦で、障害者は「ごく潰し」「非国民」とさげすまれ、差別され、迫害されてきました。平和であってこそ障害児・者が安心して働きくらせる保障がされるということを歴史が証明していると言えるのではないでしょうか。戦争は人権を蹂躙する最大の人災です。また戦争するために、社会福祉予算がより削減されていく結果になることは自明の理です。昨年、わが国も批准した障害者権利条約は、誰もが平等に生きる権利を保障するものです。障害者の生きる権利、発達する権利は、戦争を是認する体制の下では決して実現しません。

 私たちは、障害者の幸せと平和を守ることを一つのこととして追求してきました。集団的自衛権行使容認の閣議決定、その具体化としての今回の「戦争法案」が強行されれば、憲法9条、そして私たちの社会福祉事業の根拠となる憲法25条も事実上意味をなさなくなります。

 この法案の採択にあたり、与党は「審議時間を重ねてきた」といいますが、「違憲」の法案にいくら時間をかけても暴挙という批判は免れません。私たちは、「戦争法案」に断固反対します。そして、政府与党の強引な手法を許さず、この法案の撤回・廃案にむけて、ひきつづき広範な国民のみなさんと一緒に改めて奮闘していく決意を表明します。

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